ずっとこれからも

大好きな婚約者が亡くなり、気持ちの整理と記録のために始めました。

ひな祭り

今日はお雛様の日ですね。

そう女の子の日。

 

母が、お雛様のポストカードを送ってきました。

 

ボタンを押すと、お雛様の曲とぼんぼりがピカピカ光る様なものでした。

 

久しぶりにひな祭りらしい時がこの家で流れました。

まぁ、そのハガキだけなのですが;

それ以外は変わらずお酒を飲むだけの夜です。

 

昔は、実家で雛あられを食べたりちらし寿司を食べたりと、楽しいパーティーをしていました。

雛人形を飾るのに、家族みんなでワイワイやっていました。乱暴に扱うと、首が取れてしまったり、飾りが一つ足りなかったり、左右どちらがわからなくて、お雛様の歌を歌ったり。

雛人形とは別に、その時に一緒に飾る市松人形があって、私はその子が大好きで妹の様に話しかけていました。

当時2歳くらいだと思いますが、人形にご飯を食べさせようとして、ほっぺに米粒をつけてしまって、少し後に気がついた母がそれを取ろうとして塗料がはげてしまいました。

 

今でもその人形の頬は塗料がはげていて、見るたびに母に言われます。

 

そういえば彼とひな祭りらしいことはしたことはなかった気がします。

 

『ひな祭りだから女の子の日だよー!だから今日は一本追加で!』と言って飲んでいたことはあります。

ひたすらに私の記憶は”酒”ですね;

 

笑いながら『飲み過ぎんなよ〜』と言ってくれた彼が大好きでした。

 

飲んで酔っ払って、抱きついて、そしたら頭を撫でてくれて。

あの大きな手も大好きでした。

 

ピアノ弾きだった彼の手は、ラフマニノフくらい大きいんではないかと思うくらい大きな手で(それは流石に言い過ぎですが;;)、私の頭なんて帽子の様に包んでくれていました。

その手が大好きで、その手がないと眠れない時もありました。

眠れないでいると、何か勘付いたのか寝室に来て、頭を撫でてくれました。

(私と彼の仕事の関係上、同じ時間に寝ることができないことも良くありました)

 

懐かしい彼の手を思い出しながら、自分の手で自分の頭を撫でます。

虚しくなって終わるだけ。

鼻で笑って酒を飲むだけです。

 

ピアノが上手いくせに、恥ずかしがってあまり弾いてくれなかった。

恥ずかしいというか、俺なんてまだまだという感じでした。

 

ちゃんと聞きたかったなー。