毎日犬くんと散歩をするのですが、
今日は珍しく最近通っていない道に行きたがりました。
その道は彼と3人で毎回のように歩いていた道でした。
うちの犬くんはあまり歩くことが好きではなく、比較的早くに”帰る”となるのですが、今日はいつものコース以外にも、”こっちも行く”と言うようにぐんぐん進んで行きました。
彼と良く歩いた道。
進む方向は逆回りの方向でした。
曲がり角を見つけるたびに、”あの時の私たち”と思い出しました。
笑って歩いていた時もあった。
不機嫌な時もあった。
途中で雨が降ってきて走っていた時もあった。
いつでも彼が隣で歩いていた。
なんだか、”あの頃の私たち”が向こうから歩いてくるんじゃないかと不思議な感覚が湧きました。
犬くんはいつもよりも私の顔色を伺うようにチラチラと振り返っていました。
たまに想うことがあります。
『世にも不思議な物語』の世界に私一人迷い込んでいるんではないか。
私の世界では彼がお空に行ったけど、本当は私がお空に行って、今起こっていることは私が勝手に見ている世界ではないのだろうか?
彼の世界では、普通に毎日が進んでいるのかもしれない。
私が勝手に悲しんでいるんではないか。
そんな不思議な考えが浮かびます。
散歩コースもそうですが、それ以外にも犬くんの不思議行動がありました。
いつも彼がタバコを吸っていた換気扇の方を見て、「キューン、キューン」と言っていました。
もしかしたら、彼がいたのかな。
犬くんには彼が見えたりしているのかな。
もし見えているなら、私にも見せて欲しいな。
そんな、少し不思議な気持ちになった日でした。